スクラッチシールド・セルフリストアリングコートのコーティングについて
車の塗装に使われている塗料も、年々進化しております。
エナメル塗料からウレタン塗料へと進化し、2007年からは水性塗料が使われることになりました。
塗装面の更に上塗りするクリア塗装の性能もやはり進化、向上しています。
その中でも対スリ、アクリル系樹脂と呼ばれるクリア塗装が徐々に脚光を浴びてきています。
トヨタではセルフリストアリングコート、日産ではスクラッチシールドと呼ばれているものがそうです。
いわゆる高密度で軟質な樹脂をクリア層の形成に使用し、熱を加えることで塗装面に出来た細かいすり傷などを自己修復し、復元させる性能があります。
最近ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅教授のオートファジーみたいですね。
夢のような技術ですが、もちろん復元できる傷の程度は限られます。
そして、やはりそのクリア層の上にも、車を走らせれば様々な物質が付着、蓄積するのです。
また、紫外線の影響、酸化という塗装の劣化は、一般のクリア塗装と同じように起こりえるので、
コーティング等の皮膜形成による塗装の保護は、やはり必要だと私たちは考えています。
スクラッチシールドやセルフリストアリングコートのような特殊塗装に対してのコーティングについて
では、どのようなコーティングが適しているのでしょうか。
ガラスコーティングの特徴に、硬い皮膜形成があります。
熱により再結合するような軟質なクリア層に対し、硬質なガラス皮膜は合いそうにない、と思われるかもしれません。しかし、実際の車のガラスコーティングの皮膜とは、例えば窓ガラスのような1枚の薄い皮膜が形成されているわけではないのです。
仮に、その様な皮膜が形成されていれば、パリパリ割れて剥がれるという現象が起こるはずです。でも、そんな事態に陥ったコーティング車は見たことありません。
では、ガラスコーティングの皮膜ってなに?となります。
結論から言うと、ガラスの主成分であるポリシラザン、シロキサン等が高密度に化学結合して膜のように塗装面に密着しているのです。
ここで大切なのは、その密度の加減です。高密度(高濃度ともいえます)な結合状態であれば、硬度も保ちつつ塗装面の伸縮にも耐えることが出来ます。低密度(低濃度)の結合状態だと、コーティング性能の低下が早くなってしまいます。
なにより、車のボディは鉄板で出来ています。鉄は熱による膨張率が高い物質であり、そもそも車用のガラスコーティング剤は、ベース素地の伸縮膨張を前提に研究開発されているのです。
つまり、セルフリストアリングコートや、スクラッチシールド等の塗装車にも、問題なくガラスコーティングは施工でき、高密度のコーティング剤であれば、しっかり塗装の劣化を防ぐことが出来るのです。
余談ではありますが、低密度のガラスコーティング剤とは、結合の手助けに樹脂(ポリマー)を利用したものを指します。よくガソリンスタンドさん等で主力商品となっている、いわゆる、ガラス系の(ガラス成分の含まれた)コーティング剤のことです。
膜厚があり、艶もあり、なによりこのような特殊クリアに適していると思われがちなのですが、一般のガラスコーティングと差ほど変わらぬ価格であるならば、こちらを選択する理由は無いかと私たちは考えております。
確かな技術と、知識で施工したガラスコーティングであるならば、定期的にメンテナンスを行えば、長く性能を活かすことが出来るのです。
スクラッチシールドやセルフリストアリングコートへの磨きについては要注意
問題は磨きです。
磨きとは、そもそもクリア層に入ったキズの断面の角をとり、表面をならして行く作業になります。
対スリのクリアは、熱をかけると復元する性質があるので、深めのキズに対して熱をかけても、表面の部分だけが先に復元し、その奥のキズの根っこは磨けず残ったままになります。
温度がさがれば、残った深部の傷が、復元した表面のキズを再度広げるような形で押し戻し、結局キズがオートファジーしてしまうのです(笑)。
どうやって磨くかといえば、熱をかけずに磨くことになります。
磨きには、ポリッシャーというツールを高回転でまわして磨くのですが、触れないほど熱を発しています。
特に欧州車などは、クリア層が硬いものが多く、かなりの熱をかけて磨いています。
これとは違う技術で磨く訳ですが、基本はコンパウンド(磨き粉)の研磨力で磨いていく方法、水で冷やしながら磨く方法、ポリッシャーの回転をランダムにして熱を分散して磨く方法等を駆使して磨いていくことになります。
また、このクリアを磨き切るためには、様々な照明も駆使しないといけません。
拡散型の照明やスポット的な照明。オレンジ色や白色。上から、横から、下から、斜めからと角度を変えてキズを追いかけていける設備も必要です。
黒のソリッド(単色)や、このような特殊クリアは、手間だけではなく、知識、経験、技術、設備が更に不可欠となってくるのです。
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